今回は東京都杉並区でマンション管理会社様からの緊急対応のご依頼です。マンション共用部のシリンダーが外れてしまいそうとのお話です。
シリンダー(鍵穴)は使うたびに少しずつ消耗していきますのでいずれは交換する必要があります。ましてはアパート、マンションなどの共用部ですと使用頻度が劇的にあがりますので不具合を起こす頻度も高くなります。
不具合の原因はまちまちですが、今回の事例を紹介していきます。お伺いするとこのような状態になっていました。
共用シリンダーの不具合
お伺いしてみると、マンションエントランスに設置してあるインターホン付きの操作盤に取り付けてあるシリンダーがガタついて今にも外れそうな状態です。キーを差し込んで回そうとすると鍵穴も一緒に回ってしまいます。
操作盤を外して裏面から見た図が右の写真です。このKS112というキースイッチは操作盤を挟み込む形で固定する種類になりますが、緩んでしまって裏面の止め板ごと動いてしまっています。
なぜこうなってしまったかをこれから分解していき判断します。
装置付きシリンダー分解洗浄作業
上図がある程度外した状態です。内部は白い布がまっ黒になるくらい汚れがたまっています。ですのでまずは内部を綺麗に洗浄し、汚れや付着物を取り除く作業から始めます。
鍵穴には様々な汚れがたまって蓄積すると鍵が回しにくい、抜きにくい、刺さりにくいなどの不具合を起こします。それには自然と外部から鍵穴に入り込む場合もあれば、入居者さまのキーに付着しているゴミなどが
入り込む場合もあります。
今回の場合はカギの削れた粉塵が多く詰まっていました。こういった場合には精度の悪い合カギを使っている物件によく見られます。事実、この物件は世帯数が多い上にお部屋ごとにオーナー様が異なるため居住者さまがお持ちの
オートロックキーは複製されたコピーキーが多いようです。
シリンダー内部を綺麗に洗浄した後、動作を確認します。洗浄前とは格段スムーズな動きをしていますが、まだ多少引っかかりが見受けられます。これはシリンダー内部もすり減ってしまっていることを意味します。
こうなってしまっているとシリンダー交換となります。ですがこのシリンダーはマンションのオートロックシステムが組まれているためこの場では交換が出来ません。メーカーに手配して特注にて製作させます。
およそ1か月くらい納期がかかりますが内部洗浄を施しましたので納品までは問題ないことを管理会社さまにお伝えし、あとは元に戻していきます。
キースイッチの再取り付け
とりあえず1か月後、新しいキースイッチに交換するまで仮に固定しておきます。今回、こういった不具合が起きてしまった原因としましては
- 精度の悪い合カギの使用によりシリンダー内部に汚れがたまった&シリンダー内部の消耗(使用頻度が高い箇所というのも原因)
- 上記が原因で鍵が回りにくい状態になった上でも使用を継続
- シリンダーを固定している止め板が緩みはじめ、鍵穴自体がガタガタになり外れそうになった
といった所でしょうか。
カギは基本、何か不具合が起きた場合にそのまま放置していても症状が悪くなる一方になります。むしろそのまま放置することによってその他の箇所にも不具合が広がり、結果余計な費用がかかることもあります。
ですので少しの違和感でも感じられた時には早めに専門家にご相談されることをお勧め致します。
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