今回は埼玉県川越市古谷本郷にて玄関扉の鍵交換のご依頼になります。鍵が使いにくくて困っていらっしゃるようです。
鍵の不具合
鍵は決して永久的に使えるものではなく、日々開け閉めを繰り返すことで少しずつ消耗が進んでいきます。ですが、見た目では消耗具合を判別することは難しく大抵は
- 鍵が差込みにくくなってきた
- 鍵がまわりにくくなってきた
- 鍵が抜けにくくなってきた
といった前兆が出てくることが多く見受けられます。この状態をしばらく放置しているとやがては鍵があるのに開かなくなってしまったり、差し込んだキーが抜けなくなってしまうことがあります。
お客さまからのお話でよく耳にするのが、『鍵の調子が悪くなってきたので潤滑剤等を買ってきて鍵穴にさしたら一時的によくなったが、また元に戻ってしまった』というお話です。潤滑剤等を注入すれば滑りがよくなりますので一時的に症状が改善することがありますが、鍵(シリンダー)が消耗するということはキーの抜き差しによって内部が削れ変形してしまうことを意味しますので滑りが良くなっただけでは根本的な解決はしません。
そして鍵(シリンダー)の消耗以外にも、内部に土埃や汚れなどが蓄積することによって上記のような動作不良を起こす場合があります。こちらの場合も市販の潤滑剤を注入することで一時的に改善することがありますが、そのあと逆に症状が悪化する場合があります。それは内部の汚れ等を取り出さずに潤滑剤を注入してしまうと汚れと潤滑剤が混ざり、潤滑剤の種類によっては汚れが内部で固まり詰まってしまうことがあるからです。
鍵の構造と適切な処置
鍵の内部は自動車や自転車と違い精密な構造をしています。一つ一つの部品が非常に小さく、それらが複雑に組合って出来上がっているものですので、知識を持つ人間の適切な処理が必要です。当社ではこういった場合、各パーツを分解した上で洗浄をします。そしてきれいになった上で鍵・錠前用の潤滑剤を注入していき組み上げていく作業を致します。
鍵の調子が悪くなった場合、様々な原因が考えられ対処が異なっていきます。お困りの際には一度当社などの専門家へのご相談をお勧め致します。では長くなってしまいましたが、今回のお客さま宅での作業をご紹介していきます。
こちらが今回のお客さま宅の玄関ドアになりますが、このような取っ手がついています。こちらは通称《装飾錠》という種類になりますが、他にも《サムラッチハンドル》、《サムピースハンドル》とも呼ぶことがあります。開ける際には取っ手を片手で掴み、親指で《ピース》部分を下げることによって開きます。こういった構造のノブを装飾錠と呼びます。
今回の不具合内容
今回の不具合内容はキーが差し込みにくく、やっと刺さっても回りにくいといった症状です。家に帰ってきても中に入るのに１０分以上かかることがあるそうです。これでは非常に不便ですので内部を調査した結果、シリンダーの消耗が原因で起きていたトラブルでしたので今回はシリンダーの交換をさせて頂きました。
錠前の洗浄修理、シリンダー交換作業
シリンダーを交換するにあたって、まずは錠前を取り外していきます。２０年以上使われているとのことでしたので内部の汚れも酷く、併せて洗浄作業も進めていきます。
今回、お客さま宅についている装飾錠はゴールというメーカーのアンティック錠、CT,GT5 OAK(オーク)という名称になります。そしてこちらの交換用シリンダーは、同シリーズのCT-5 シャメール用シリンダーを流用できますので、そちらの商品で作業を進めていきます。
ゴールのこの取っ手部分の鍵は、防犯性の高いディンプルキーへ鍵交換することができません。ですが、取っ手部分の上部にもうひとつ鍵がついていますのでそちらでしたらディンプルキーへお取替えが可能です。
こちらが作業完了後のお写真になります。鍵の中で一番使用頻度が高く消耗しやすいシリンダーという部分を新しいものへ交換し、内部の汚れも隅々まで洗浄しましたのでこれからもまだ頑張ってくれると思います。こういった装飾錠、アンティック錠のトラブルでお困りでしたらお気軽にご相談下さい。
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