ディンプルキーとは
ディンプルキーとは錠前のシリンダーの種類の中の1つです。鍵といってもキーを回す為の内部構造は様々な種類があります。
その中でも
に大きく分かれます。正確にはこれ以外にもマグネットやカードを用いた種類などがありますが、現在の主流はこの2つです。
そのなかでも今回ご説明していくディンプルキーはピンシリンダー錠に分類されます。
ピンシリンダー錠とは
上の図はピンシリンダー錠のなかでも一般的なショウワ製のシリンダー構造です。シリンダー内部にピンが6本1列に並んでいるのがわかります。種類にもよりますが、一般的なピンシリンダーにはこのピンが6~7本程度入っています。
構造としては片側がギザギザしたキーを鍵穴から差し込むことでそれぞれのピンが押し上げられシャーラインが揃った状態でキーを回せば鍵が回るというしくみになっています。そしてディンプルキーとはこの構造をより複雑化したシリンダーになります。
ディンプルキーの構造
上の図はゴールのV18というディンプルキーの内部構造とキーのサンプルです。しくみはピンシリンダー錠のようにキーを差し込めば内部のピンが押し上げられる所は同じですが内部のピンの本数が増えています。ピンシリンダーでは1列6本だったのがV18だと3列18本になっています。単純に3倍複雑になっていることになります。ディンプルキーの中でもより精密なシリンダーになるとカバスターネオの5列26本というものまであります。
ディンプルキーが開発される前はピンシリンダー錠が主流でした。ですが、ピッキングという不正開錠が出回ってしまったせいでピンシリンダーは一気に危険なカギになってしまいました。そしてそのピッキングに対抗して開発されたのがこのディンプルキーです。ピッキングというピンシリンダー錠の構造を逆手にとった開錠方法から守るためにあらゆる機能が備わっています。ピンの数だと3倍ですが、これをピッキングで開錠するとなるとピンシリンダー錠の10倍以上の難易度になります。
ディンプルキーなら安心なのか
ディンプルキーという名前はあくまで総称ですので色々なメーカーから様々なディンプルキーが出ています。ディンプルキーなら何でもいいというわけではなくピンキリですが、大手メーカーのディンプルキーであれば間違いはありません。質の低いディンプルキーですと十分な防犯性が無く、ピッキングでも開いてしまう場合があります。
今の所、ディンプルキーの鍵穴から簡単に開錠できるような技術や特殊工具は存在しません。これは当分問題ないと思いますが錠前の歴史上、しばらくすると何かしら構造の欠点を利用した不正な解錠手口がどこからともなく出回ります。
これはなぜかというと、開かない鍵を開発するのが仕事の人がいれば、鍵を開けるのが仕事の人もいるからです。つまり鍵メーカーと鍵屋さんです。新しい鍵が開発され販売されれば、鍵屋さんはその鍵をどうやって開けられるか調べます。そしてその技術や工具が広まり、それを悪用する人間が出てきます。ですのでもはや追いかけっこのような業界になっています。
ですがディンプルシリンダーがついている場合、未だほとんどの鍵屋さんは鍵穴からの開錠は避けます。いくら技術を磨いてもディンプルシリンダーの場合、鍵穴から攻めるメリットがありません。開けられたとしても1ヶ所の鍵開けに何時間もかけていられないからです。
結論として今お使いの鍵がディンプルキーでないなら、交換することによって防犯面で非常に効果があります。ですがディンプルキーが開発されたことによって、鍵穴からの開錠を避けた開錠方法や工具が進化したともいえます。よって防犯を考えるのなら鍵を交換するだけでは不十分ということになります。しっかりとした防犯対策をされたいのであれば、鍵を開けることが仕事の『鍵屋さん』に相談するのが1番です。
当社でディンプルキーへの鍵交換にかかる費用や商品のご案内について、次のページでご紹介しておりますので、宜しければ御覧下さい。→ディンプルキーへの鍵交換