今回は東京都杉並区浜田山でマンションの玄関シリンダーの修理作業をしてきました。鍵が最後までささらなくなってしまったとのご連絡です。鍵のトラブルの中でも何時起きるか予測できない例として『鍵がささらない、抜けない』があります。鍵は近年どんどん構造が複雑化していて10年前と比べかなり精密な作りをしています。
もちろん防犯性能は日々進化していますが、鍵はほぼ毎日使うため必ず消耗していきます。特にキーを差し込む鍵穴(シリンダー)の中には少しずつ汚れが蓄積していきますので、シリンダー内部の構造が複雑化すれば汚れが溜まった場合に不具合を起こす可能性も高くなります。
今回のお客さま宅にはこのような鍵がついています。
鍵の種類、名称
メーカーは『MIWA/ミワ』、プッシュプルハンドルで型番は『PG』という種類になります。そして今回使われているキーは『JN』というタイプのキーになります。見分け方としてはキーの持ち手部分に『MIWA』と刻印されており、その下には『KABA』とあります。KABAとはスイスに本社を持ち、高防犯キーの開発元として世界でも有名な鍵メーカーです。そのKABA社と日本のMIWA社で共同開発されたキーがこの『JN』というシリーズになります。
今回はこのJNキーが鍵穴の奥までささらないとのお話でしたので、まずは全体を取り外しシリンダーを取り出します。
プッシュプルハンドル、シリンダーの取り外し
ハンドルを外し、シリンダーを取り出します。この取り出したシリンダーという部分が今回の不具合の原因部分で、防犯にとって一番重要な部分です。一番右の写真のように、キーをさしてもここまでしか入りません。これでは開け閉めができませんので鍵としての役割を果たしていません。
キーがささらなくなった原因
このJNキーはこのようなトラブルをよく見かけます。こうなってしまう原因としては、シリンダー内部に蓄積された汚れやホコリ、金属カスが固まったり詰まったりして内部の動きを悪くする為です。一般的にどんなシリンダーでも汚れは溜まってしまうものですが、複雑なシリンダーほど少しの汚れでも動作不良を起こしやすくなります。今回は対処として分解洗浄修理をお勧めさせて頂きご了承頂きましたので早速作業を始めていきます。
シリンダーの分解洗浄修理作業
シリンダーを分解し、汚れを隅々まで洗浄します。汚れを落とし乾燥させた後、潤滑剤を塗布し元通りに組み上げます。これで作業完了です。写真の通り、キーは最後までささるようになりちゃんと使えるようになりました。
今回はキーがささらなくなってからのご依頼でしたが、場合によってはキーが抜けなくなってしまうこともありますので違和感を感じるようでしたら早めの処置をお勧め致します。
『鍵がささらない、シリンダー内部洗浄修理』に関連する記事