ディンプルキーとは
一昔前、ピッキングという悪質な犯罪が流行しました。
特殊な工具を鍵穴に入れ強制的に鍵を開けてしまう手段です。
慣れている人間ですとものの数分で大きな音も出さずに鍵を開け侵入できます。
そして同じくピッキングでまた鍵を閉めることも可能な上、形跡が残りにくい特徴があります。
そんな鍵の構造を逆手に取った手段に対抗する為に開発された防犯用の鍵がディンプルキーです。
下の図は一般的なピンシリンダーとディンプルキーの断面図になります。
一般的なギザギザしたキーの内部構造
左の図はショウワ製のよく見かける片面ギザギザの鍵ですが、構造としましては鍵を差し込むことにより、中に入っているピンが鍵の段差によってそれぞれ押し上げられ、正しい鍵であればシャーラインという部分が一直線に揃うことにより鍵が回るしくみになっています。
つまり鍵が無くても6本のピンがシャーラインで揃えば鍵が開いてしまうことになります。
そしてピッキングができる人間はこの構造の知識と揃える為の工具を持っているということになります。
ディンプルキーの内部構造
そして右の図はゴール社のディンプルキーV18になります。
同じようにピンが中に入っており、シャーラインが揃えば鍵が回るという構造はそのままです。
ですが、ピンが上と左右に3列並んでいます。
1列に6本入っていますので合計18本のピンが入っていることになります。左の鍵であれば6本同時に揃えば開いたものが、右の鍵だと18本同時に揃える必要があることになります。
ただ、単純にピンの数が増えただけでなく、ピン自体に細工がされた『アンチピッキングピン』というもので、鍵以外のものでこのピンを操作しようとしても正しい位置に揃わないようになっています。
ギザギザしたキーとディンプルキーの違い
写真で見比べるだけですと、ちょっと複雑になったぐらいしか感じませんが実際ピッキングで開けようとした場合、まず右の鍵は開きません。さらに破壊開錠を防止する為の『ドリリング防止板』も入っておりあらゆる不正開錠を防ぐ為の防犯構造になっています。
鍵というものは本来鍵が無いと開かないものです。むしろ鍵が無くても開いてしまったら鍵本来の意味がなくなります。ですが鍵が無くても開けることができる工具や情報が出回ってしまっているのも事実です。
今ではだいぶディンプルキーは普及してきましたが、まだまだ左図のような鍵をお使いのお客様も多いです。
防犯性はもちろん利便性も向上致しますのでディンプルキーへの鍵交換をお勧め致します。
ディンプルキーへの鍵交換
当社でお取り扱いしているディンプルキーの一部を掲載致します。
メーカー、種類によって機能も異なりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
※表示料金は部品代+工賃+消費税の総額料金となっております。(無料出張エリア外の場合は別途出張料)
MIWA PR 優れた防犯性・堅牢な耐破壊性能・リバーシブルキーで新築物件にも使われている鍵。
ミワのPRシリンダーはミワが開発したディンプルキーで近年の建物によく使われ、徐々に普及してきている種類の防犯キーです。シリンダー1個につきキーが標準で3本付属していますが鍵の複製はメーカー特許の関係上、今現在ではできません。鍵が足りない場合はメーカーに純正キーの注文をする必要があります。
GOAL V18 3列18本の高防犯シリンダー。キーには洋白を使用し耐久性の高いリバーシブルキー。
ゴール社の開発したディンプルキーで近年の建物によく使われている種類。防犯性能はもちろん、使い勝手のよい鍵ですので初めての鍵交換にお勧めのシリンダーです。ディンプルキーはスペアキーが作りにくいイメージですが、このキーはディンプルキーの中でも普及している種類ですので当社・合鍵ショップでも即時の鍵複製が可能です。
KABA 最強の鍵。スペアキーはお客様以外は作成不可能。耐ピッキング性能・耐破壊性能は最高峰。
今現在出ている鍵の中でもトップクラスの防犯性能を持ち合わせている鍵。防犯性能はもちろん、『鍵登録制システム』というカバ社独自のセキュリティシステムによって、第三者による鍵の複製を不可能にしています。絶対的な防犯性能をお求めのお客さまにお勧めの鍵になります。
WEST 917 ディンプルキーの中でも緻密な構造の917。防犯性能はもちろんデザイン性も抜群。
こちらはウエスト社の開発したディンプルキーになりますが、ディンプルキーとはピンシリンダーを複雑化したキーになりますので、ピンシリンダーの定評が高いウエスト社の917は非常に精密な作りになっています。キーの形状はグッドデザイン賞を受賞するほど独特なオリジナリティのある形となっています。
※こちらに掲載されていないディンプルキーも取り扱っておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。